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ハワイ仏教文化財研究からのご挨拶

ハワイには、19世紀末から海を渡った日本仏教各宗派の寺院があるが、寺院に遺る文献資料のほか、特に仏像・仏具・写真などのモノ資料(文化財を含む)については、その所蔵状況も含めて整理と調査がほとんど行われていない。本科研プロジェクトは、これら未発掘の文献資料とモノ資料を新たな資料体系として構築し、ハワイ日系社会の中で展開した日本仏教の動向を、宗派横断的かつ実証的に評価することを目指している。
文献資料に比べ、特にモノ資料については先行研究で調査や研究の対象として考察された前例がない。これに対し、本科研では新発見の資料とモノ資料から、太平洋戦争中の日系人強制収容所での仏教行事を示す仏具や、戦時下において寺院が再開されていたことを示す資料を新たに発見した。これらの成果を、本ウェブサイト等で公開・共有し、ハワイ日系人社会における仏教の位置づけに新たな見地を加えることとしたい。

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ハワイ仏教文化財研究組織概要

  • 科研課題名:【科学研究費/基盤研究B/23H00568】
  • ハワイ日系仏教寺院の文献資料および文化財の体系化と活用による仏教史研究
  • 研究期間:2023年4月1日~2027年3月31日
  • 研究代表者名:安中尚史
  • 研究代表者所属:立正大学
  • 研究分担者:
    守屋友江(南山大学)
    笹岡直美(東北芸術工科大学)
    中原ゆかり(愛媛大学)
    石井清純(駒澤大学)
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研究内容

ハワイ仏教文化財研究は刊行物などの二次的な資料や、裏付けが不十分なインタビューを根拠に考察されてきた過去の研究を、各宗派の僧侶や信者の「直接の声」が反映されている文献資料や、信仰の対象や儀礼に用いられていた文化財資料などによって史実の裏付けを行う。

ハワイの日系人社会の中で日本仏教が人々の精神的支えであり、かつ生活の一部として重要な位置を占めていたことを実証的に明らかにする。

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【研究実績】

ハワイ仏教文化財調査(オアフ島)

  • 2014年12月 準備調査
    [安中尚史・笹岡直美]
  • 2017年2月 ハワイ日蓮宗別院・ホノルル妙法寺・ワヒアワ日蓮宗教会
    [安中尚史・平井智親・笹岡直美]
  • 2018年2月 ハワイ曹洞宗別院・ハワイ日蓮宗別院
    [安中尚史・平井智親・笹岡直美]
  • 2019年6月 ハワイ本派本願寺・ハワイ日蓮宗別院
    [安中尚史・守屋友江・平井智親・笹岡直美]

マイグレーション研究会・海外仏教文化財
研究会合同ワークショップ

(2019年9月20日)

【ハワイ日系仏教寺院所蔵の写真・音声資料の現状と保存・継承の課題】

  • 日蓮宗ハワイ別院所蔵史料から見たハワイ布教の展開
    [安中尚史(立正大学)]
  • 日系移民史からみたハワイ日系寺院所蔵資料の意義とその保管状態について
    [守屋友江(阪南大学)]
  • ハワイ日系仏教寺院・文化財調査と現状についての報告
    [笹岡直美(東北芸術工科大学)]

第23回日本近代仏教史研究会研究大会

(2016年6月4日)

【シンポジウム 太平洋をまたぐ日系仏教の諸相】
司会:守屋友江(阪南大学)
コメンテーター:藤井健志(東京学芸大学)

  • 移民とともにつくる仏教会-日系アメリカ仏教雑誌からみた仏教会の形
    成過程と活動- 守屋友江(阪南大学)
  • アメリカに移民した日本人女性たちと仏教 [本多彩(兵庫大学)]
  • 移民布教と仏教文物の移動 [安中尚史(立正大学)]

佛教史学会12月例会ワークショップ

(2019年12月14日)

【在外仏教文化財調査からみた領域横断的な日本仏教史研究】

  • 日蓮宗におけるハワイ布教の展開―新出資料を中心として―
    [安中尚史(立正大学)]
  • 日系アメリカ仏教史資料の所蔵状況とハワイ寺院調査による新資料について
    [守屋友江(南山宗教文化研究所)]
  • ハワイ日本仏教寺院における文化財調査について-現状と損傷についての報告-
    [笹岡直美(東北芸術工科大学)]
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